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今回の展覧会では、それぞれの最大30号サイズの作品を展示しています。

その作品をご紹介します。


安冨さんの30号スクエア作品「Loophole」

「Loophole」

「Loophole」の作品の対応文は以下です。

【218段 月のいと明きに】

月のいと明き(あかき)に、川を渡れば、牛の歩むままに、水晶などのわれたるやうに水の散りたるこそ、をかしけれ。    

(現代語訳)

月がとても明るい夜に牛車で、川を渡ると、牛が歩くのにつれて、まるで水晶が割れたように水しぶきが散っていく、何とも素敵だ。



Loopholeとは直訳すると、抜け穴。抜け道。逃げ道等々です。

また壁などにあけた小穴、 通風・採光に合わせて使われることもあるようですね。英語の細かなニュアンスは正直なところ私は勉強不足で分かりません・・・。

しかしながら、上記の一文を選択された安冨さんの思い、また作品の印象から、私は抜け道のようなひっそりとした場所をイメージしながらも、ちょっとした小穴のような隙間から覗いた先にあった風が通る場所、またふと上から射した光の反射を合わせてイメージしました。

私は在廊中、会場で拝見していると、自分がもしこの作品の世界に入ることができるならば、ずっと隠れていたいような、秘密の場所のような・・・。そんな気持ちになりました。



次は私の30号Pサイズの作品「朝に去る色」です。

朝に去る色

「朝に去る色」の作品の対応文は以下です。

240段 雲は白き】

雲は白き。紫。黒きも、をかし。

風吹くをりの雨雲。明け離るるほどの、黒き雲のやうやう消えて、白うなりゆくも、いとをかし。「朝に去る色」とかや、詩(ふみ)にも作りたなる。月のいと明き面に薄き雲、あはれなり。

(現代語訳)

雲は 白いの。紫。黒い雲のもいい。風が吹く折の雨雲もいい。

夜が明けはなれるころの、黒い雲がようやく消えて、あたりが白んでゆく風情も、とてもおもしろい。「朝に去る色」とか、漢詩にも作ってあるようだ。月のとても明るい面に、薄い雲というのもしみじみとした趣がある。



これは身近な京都の風景です。下は水路が流れています。ずっと描きたいと思っていた場所の一つです。ふとした時に見つけ、何度も訪れました。

まず、この作品は「描きたい場所」があったのですが、作品にしていく過程では枕草子の一文、特に「朝に去る色」という表現に惹かれ、何とか絵にしたいと思いました。夜明けのことを「朝に去る色」と表現した清少納言の言葉の巧みさ。

私は単純に「なんて豊かな日本語表現だろう!」と思いました。

「黒い雲」を絵の中に込めるために、水面にしっかりと深い青や濃い色を置き、表現しようと試みた作品です。



この2点は以下のように展示しています。

会場風景

本日より来週から始まります「枕草子にみる悠久の轍 安冨洋貴 山名しおり二人展」の先行展示をして頂いています。

大丸京都店6階アートサロンESPACE KYOTOのすぐ横にありますショーケースにて各1点ずつ展示されています。

お近くにお越しの際にご覧頂けましたら幸いです。

またART百花繚乱 大丸・松坂屋アートブログ(大丸京都店アートインフォメーション)でも紹介して頂いております。以下リンク先からご覧いただけます。

ART百花繚乱 大丸・松坂屋アートブログ(大丸京都店アートインフォメーション)

ショーケースの様子 
ショーケース横より ちょうど2点黒の額縁が締まって見えるように飾ってくださっています

少し私の作品の説明をさせて頂きます。今回の展示では作品に「枕草子」の一文を添えて展示するスタイルを予定しています。

それぞれが自分の作品から、また枕草子の一文からイメージを重ね合わせる形での展示スタイルを試みます。

この先行展示展示作品タイトルは「うつろい」です。

対応している枕草子の一文としては

【49段 猫は】

猫は、上の限り黒くて、腹いと白き。  

(現代語訳)猫は、背中の全体が黒くて、お腹が白いのが良い

から着想を得ています。清少納言は猫は背中全体が黒くてお腹は白いのが良いわ!と言っていますね。それに対して私は成程、彼女は今でいうなら白黒のはちわれ猫ちゃんでしょうか?そういう感じが好きだったのかなぁ・・・と思い巡らしました。それも可愛いけれど私はお腹も黒い、黒猫が好きだなと思い、黒猫にしています。

というか・・・生後1か月くらいに保護した猫と3年前から暮らしており、彼がモデルなのです。私がリアルに感じている身近な猫。清少納言が語ってくれている猫。言葉と作品両方から様々に解釈してくださるような作品展に出来ればと思っております。猫好きの方であれば、それぞれお好きなイメージがあるのではないのでしょうか?(ちなみに以前飼っていた猫は7年ほど前に天寿を全うして亡くなりましたが茶トラでした。彼も可愛かったです。)

そしてバックに描いている「ほおづき」についても

219段大きにてよきもの

家。餌袋(えぶくろ)。法師。くだもの。牛。松の木。硯の墨。男の目の細きは、女びたり。また、金椀(かなまり)のやうならむも恐ろし。火桶。酸漿(ほおづき)。山吹の花。桜の花びら。

とあり、清少納言が「ほおづき」は大きい方が良いと語ってくれている文章を思い出し、確かに大きい方が良いなぁと思いました。

夏の前頃ほおづきの葉をスケッチし夏の終わりに大きなほおづきを見つけ、それを黒猫の背景に沿えました。

10月13日から始まります展覧会につきまして、来週から先行して私の作品が一点展示されます。

2021年10月13日(水)~19日(火)  10時~20時 (最終日は17時閉場)
京都大丸 6階 アートサロンESPACE KYOTO (京都市下京区立売西町79)
電話番号 075-211-8111京都大丸店

以下の作品を展示予定です。

額装は黒猫に合わせた黒でまとめております。

お近くにお立ち寄りの際にご高覧頂けますと幸いです。

うつろい30㎝×10㎝

久々の投稿です。7月.8月と制作スケッチ等に取り組んでいました。またその過程等も随時制作工程でアップ出来ればと思います。

DMが出来上がりましたので、ひとまずお知らせさせて頂きます。

枕草子にみる悠久の轍   

安冨洋貴 山名しおり二人展 

会期 2021年10月13日(水)~19日(火)

10時から20時まで 最終日は17時閉場

会場 大丸京都店

   アートサロンESPACE KYOTO

会期まで1カ月弱ありますので、引き続き出品作品についてもウェブサイトでお知らせしていけたらと思っております。

6月に作品工程を紹介しておりました作品も本展で展示します。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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