2026年7月1日

今回の出品作品について

本日より2026京都日本画家協会展第12期展が始まりました。

昨日私も作品を搬入し内覧会を見せて頂きました。会場で皆さまの作品を拝見し、また自分自身の作品も会場で改めて見ると様々課題が浮かんできたりし考えさせられました。

そのように感じることができるのも、今回のような発表の機会があるからこそだと思いますので、出品作品させて頂いたこと、また普段の日常の中で私自身を支えてくれる人があってこそだと感謝しています。

さて今回の作品タイトルは「思慕」です。

「思慕」とは、「恋しくなつかしく思うこと」(広辞苑)。

私はこれまで身近な京都の風景などから「なつかしさ」「誰かの記憶の奥で繋がるような景色」をテーマに描いてきたのですが、今回は敢えてより個人的な私自身の「恋しくなつかしく思うこと」をテーマにするために、このタイトルを付けました。

今回の作品の題材は香川県にある父母ヶ浜です。父母ヶ浜は近年香川県のインスタ映えスポットとしてとても有名になった遠浅の砂浜が広がるとても美しい景色です。(★参照 三豊市観光交流局公式ウェブサイト

でも私自身にとっての父母ヶ浜は単なる「映えスポット」ではなくて、母の故郷の景色の一つであり家族や親戚と訪れた場所です。そのままでも美しい景色に敢えて私個人の家族への思いを重ねて描いてみようと思いました。実際人影のモデルは家族そのものだったり、砂浜のうねの一つ一つは母への気持ちだったりします。

私個人の思いは前面にあるものの、作品として表現する場合には美しい景色のちょっとしたノイズのようなものとして託してみたいと思いました。

沢山の人がネットを通して美しい景色や様々な思いを共有できる現代の中で、私個人の思いをノイズ(雑音)として乗せることでこの作品を観てくださる方に、一番私が伝えたいものが伝わるのかもしれないと模索する中で描いたものでもあります。

私にとっての絵画作品を描く意味のようなものが、そこにあるとも考えています。父母ヶ浜も景色を作品として何度か描くうちに気付かされたものでもあるので、次回以降の作品にも引き続き考えていきたいなと思っていることです。

作品一部 制作過程