2021年1月23日

パネルに水張り。制作の様子

日本画制作では、様々な過程がありますが、今回は水張り (みずばり)をご紹介します。

水張りとは、日本画以外にも水彩画など、水を溶媒とする絵を描くときに紙に歪みが生じにくいよう、一旦水に塗らした紙をパネルに張り付けるという手法のことを言います。日本画以外でも使われる工程ですので、合わせてご紹介したいと思います。

しかしながら、ここでは日本画で良く使われる和紙一般・麻紙(まし)をパネルに貼り付けることを前提にご紹介致します。

(胡粉の説明と同様に、工程についての文章表現は出来るだけ簡単な言葉を使うように心がけたいと思いますので、逆に専門の視点から見ると説明不足感もあるやもしれませんが、ご了承ください。本サイトWORKSHOPと同様にまずは画材などに触れて頂く感覚を大切にしたく思っております。)

まずパネルの大きさに合わせ紙を切り、裏から水を塗ります。

裏から水を塗った状態

裏返して、紙をのばします。空気が入らないように気をつけます。

裏返してパネルに置く

パネルの側面に糊を付けて貼っていきます。

パネル側面に糊を付けます

手や乾いた刷毛で空気を抜きます。

乾いた刷毛で延ばしているところ

端っこの処理も色々ありますが、私は厚みが出にくいよう折り込んで処理しています。

端の処理

水張りする際はどうしても端っこに空気がたまって、乾いてからふくれることがあります。しっかり伸ばせているか見て作業します。

すみっこに空気が入らないように注意

しっかり乾かして完成です。

パネルの側面

他の水彩画でも利用できる手法ですので、参考になれば幸いです。